老人ホームへの入居手続きで行う住民票移動の詳細や施設選びのポイント

老人ホームは高齢者向けの介護施設として普及していますが、入居の際には法律で決められた手続きを踏む必要があります。特に住民票の扱いについては郵便物の扱いや地域の福祉サービスの利用などが関係しているので、速やかな手続きが欠かせません。

快適な暮らしを営むためにも老人ホームの選び方や住民票を移動させる方法について学びましょう。

要介護の高齢者が安全に生活するための場

老人ホームは高齢者が共同生活を営む施設というイメージがあります。その多くが要介護認定を受けた高齢者を受け入れる福祉施設ですが、運営方針は施設ごとに異なるのが特徴です。基本的には自立した生活を営むのが困難な高齢者を対象にしていますが、他者の介助を必要としない高齢者に限って入居できる老人ホームもあります。

施設の構造も様々ですが、入居者のプライバシー保護に配慮している点は変わりません。複数人で共同生活を営む施設でも就寝の際は個別に専用のスペースが設けられています。その一方で急な体調の変化に対応できるように施設職員が定期巡回することから、一般住宅のように完全な個室を設けている所は多くありません。

日本の老人ホームは用途別に複数の種類がありますが、いずれも高齢者が安全に生活できる場を提供することを目的としています。段差が無く移動を容易にする介助設備があるバリアフリー構造が普通であり、車いすでの移動も容易にできるように廊下などのスペースは広く取られています。

特にトイレや浴室などは施設職員による介助作業ができるように広く取られていますが、すべての老人ホームが介助作業に適した構造になっているわけではありません。築年数が長い所や一般住宅をリフォームした所は必要なスペースが確保できず、介助に手間がかかることがあります。

そのため、老人ホームを利用する際は建物の構造の確認が不可欠と言えます。

老人ホームへ入居する際に住民票移動が必要な理由と注意点

老人ホームへの入居は対象の高齢者が住まいを移してそれでお終いではありません。法律上は住所を変更することになるので、住民票の移動が必要になります。住民票を移動させないと手紙などの宅配物が高齢者に届かない他、公共施設を利用する際の割引など特別なサービスが受けられません。

特に宅配物に関しては介護保険や要介護認定に関する重要な書類が本人の手元に届かないことになるので、速やかに住民票を移すことが求められます。老人ホームに入居した後で住民票を移すことも可能です。住民票の移動は入居者本人とその親族が別居して個別の世帯になることを意味します。

そのため、世帯収入による減免制度を活用するなら住民票を移動させた方が得です。その一方で住民票の移動は義務ではないことを注意します。

高齢者が重度の認知症などの理由で自己判断力が低下している場合、住民票は移動させない方が良いと言えます。手元に届いた宅配物を勝手に処分するおそれがあるためです。また、役所や銀行などで行う手続きによっては住民票を移動させていると非常に手間がかかってしまうこともあります。

そのため、住民票の移動はケースバイケースで判断するのが賢明です。

老人ホームの良し悪しは入居者や施設職員の立ち振る舞いで見分ける

老人ホームへの入居でもっとも大切なことは快適な生活を営むことです。設備の新しさや会社の知名度だけで安易に決めてしまうと、入居後の生活で大きなトラブルに見舞われるおそれもあります。老人ホームは複数人の入居者が共同生活を営む場でもあるので、人間関係の良し悪しが暮らしやすさを決めると言っても過言ではありません。

入居してから後悔しないように、事前の施設見学は必ず行います。また、見学は複数回、それぞれ異なる時間帯に行うことも忘れてはいけません。生活拠点を移すことになるので、時間帯ごとの環境の違いも把握することを心がけます。

他の入居者の言動も入居を決める際の重要なポイントなのでじっくりと観察します。表情が明るく、楽しく暮らしている感じがあればその施設は住み心地が良いと言えます。逆に陰気で、他人の言動に怯えたり接触を避けるような態度の場合はその施設は利用しないのが賢明です。

施設職員が高圧的な態度を取るなど適切な管理ができていない可能性があります。また、ゴミが放置されていたり、照明が暗いままで放置されている所も衛生や安全の面で問題が生じていると言えるので注意が必要です。

入居してからの生活こそ重視しなければいけない

高齢者にとって老人ホームの良し悪しは入居してからの生活で決まると言えます。自宅にいる時と変わらず、心身共にリラックスして過ごせることがもっとも望ましい環境ですが、見知らぬ他人と共同生活を営む以上、自宅とまったく同じということにはなりません。

施設職員による介助作業も暮らしやすさに関係する重要なポイントです。手際が悪ければそれだけ不便に感じてしまうことから、経験豊富なベテランの職員が多数常駐している施設を選ぶのが良いと言えます。施設利用に要する出費も大きな問題ですが、介護保険などの補助制度の仕組みを正しく理解して活用することで負担の軽減が可能になります。

老人ホームの多くは空き室待ちの所が多いので、不満があるからと言って即座に別の施設へ引っ越すことはほぼ不可能です。それだけに入居の際は事前の情報収集を入念に行い、相性が良い所を選ぶように心がけます。

医療面のサポートが充実していることが良い老人ホームの条件

老人ホームは高齢者向けの介護施設なので、急な体調不良にも迅速に対処できなければいけません。特に要介護の高齢者は体の具合が悪くなると非常に危険なので、医療機関による適切な治療が必須となります。老人ホームを選ぶ際は医療面のサポートについてもこだわることが重要です。

医師や看護師などが常駐している、医療機関と連携しているなどの条件を満たしている所なら万が一の事態に陥っても心配はないと言えます。また、日頃から医学的な根拠に基づいた健康管理を徹底していることも大きな決め手になるので入居前の確認を忘れてはいけません。

健やかに長く暮らすためにも医療面のサポートは必須条件なので、費用が割高でも医療機関との繋がりが強い所を選ぶのが安全です。

高齢者の終の棲家として慎重に選ぶことが重要

老人ホームはその性質上、入居した高齢者の終の棲家となるケースが多数です。それだけに毎日を健やかに暮らす環境が整っていることを重視する必要があります。入居時には住民票を移すのが普通ですが、保険料の支払い金額などの理由によっては住民票をそのままにする方が得なケースもあります。

施設の運営形態や福祉サービスの有無などを踏まえて判断しなければいけません。